契約書管理

今日から始められる!電子契約導入に必要なタスクとは!?

働き方のテレワーク化が進む中、オンラインで契約を締結できる電子契約サービスが普及してきています。しかしこれまで紙とハンコで契約していた商習慣をデジタル化するには様々な検討事項や作業が発生します。どのようなタスクを処理していけば電子契約が導入できるかの一例をご紹介いたします。

電子契約導入の全体の流れ

電子契約の導入には大きく5段階のフェーズがあります。

  1. 企画・立案
  2. 計画
  3. 推進
  4. 展開
  5. 運用

この5段階のフェーズで、検討、書類の作成、社内決裁の取得、設定、周知など様々なタスクが発生します。

1.企画・立案段階のタスク

企画・立案段階フェーズでは担当者は社内の必要性を確認し、情報収集や、関係者への説明資料を作成する必要があります。

1)企画部内での検討の合意
現場部門からの要望などを受け、検討を進める場合、企画部署内で検討を進めるための承認を得ましょう。全社的なプロジェクトになる可能性が高いため、役職者からのバックアップは必須であると言えるでしょう。

2)各部署へのヒアリング
電子契約の必要性を全社的に調査しましょう。また、この時に全社展開する前の先行導入部署(モデル部署)の打診をしておくと後々の導入検討や推進がスムーズになります。

3)対象部署、スケジュール検討、タスク洗い出し
各部署へのヒアリング結果を元に、下記の情報をまとめましょう。

<企画情報の例>
・各部署の要望
・電子契約導入の対象部署や対象文書
・スケジュール
・計画段階から運用段階までに必要なタスク

電子契約の利用は1部署だけでは計画できませんので、次に全社のプロジェクトとして計画していきましょう。

2.計画段階のタスク

計画段階フェーズでは全社的なプロジェクトとして推進する体制を作りましょう。

1) 全体の進め方についての検討
経営企画・法務・財務・全社IT部署等の協力が不可欠です。既存の契約書の取り扱いや各部署に依頼したい内容やその期限の案をまとめましょう。

2) 全社プロジェクト化
関係者を集めて、プロジェクトの説明、および協力の要請を行いましょう。優先導入部署、経営企画・法務・財務・全社IT部署等に前向きな協力が得られるように、できるだけ上位職者からの依頼を出しましょう。各部署からは専任担当者を選出してもらいましょう。

全社体制で電子契約導入を推進する準備ができたら、次は運用の検討・決定、製品選定、社内規約の見直しなどを行いましょう。

3.推進段階のタスク

推進段階フェーズは電子契約導入を進めていく中で様々な検討を行う必要があります。また、書類の作成やシステムの設定など手を動かす作業も多いフェーズとなります。

1)キックオフミーティングや定例会の実施
関係者を集め、想定運用案の説明および意見の集約、課題の共有、システム管理部門の検討、タスクの共有および担当部署の決定を行いましょう。

2)システム選定
システム要件の抽出を行い、電子契約システムだけではなく、管理システムとの連携による運用も含めて比較しましょう。最終的に要件にフィットするシステムを選定しましょう。

3)社内規定・文書等の整備
印章管理規定や情報管理規定など規定関係の見直しや、自社の契約書のひな型の見直しを行いましょう。

4)システム導入準備
これまで想定していた運用案を、選定したシステムに合わせてブラッシュアップしましょう。また、システム導入の稟議などの社内手続きを行いましょう。

5)システム導入
選定したシステムの利用申し込みやユーザ登録、設定作業を行いましょう。

6)操作説明・運用テスト
テスト利用の問い合わせ窓口の整備やマニュアルの作成を行いテストに備えましょう。プロジェクト内でのクローズテストや先行導入部門への操作説明・オープンテストを行い、利用時の課題を抽出しましょう。また、テストを通して、設定の見直し、マニュアルの改善や運用の改善を行いましょう。

7)役員会対応
運用テストと並行して、必要に応じて役員会での説明などを行いましょう。

8)運用決定
運用テストが終わった後に、本番利用開始に向けた運用の最終決定、マニュアルの修正を行いましょう。

9)周知
変更した規定周知や利用開始の周知を行いましょう。ただし先行導入部署での利用となるので、条件付きであることも明記しましょう。

10)リリース判定
関係者(特にプロジェクト責任者)にリリース判定をしていただきましょう。当初のタスクの対応状況、課題数や解決数、残課題の今後の対応などを説明し、リリースの承認を得ましょう。

11)先行導入部署での利用開始
利用開始時に最新のマニュアルの共有を行いましょう。また、運用開始後の数日は適切に運用されているかを確認しましょう。

先行導入部署での利用が問題ないようであれば、全社システムとして利用範囲を拡大していきましょう。

4.展開段階のフェーズ

展開段階のフェーズではこれまで先行利用部署でのみ利用可能だったシステムを全社で利用できるようにしていきます。

1)全社展開のためのシステム設定
全社展開のためにユーザの追加や操作権限設定などを見直しましょう。

2)説明会
優先導入部署と同様に運用や操作の説明会を実施しましょう。また、説明会で受けた質問等でマニュアルに記載のない内容があれば追記しましょう。

3)本番利用開始
適切に運用されているかを確認しましょう。

全社利用開始後は運用フェーズに移行します。契約書管理ならではのタスクもあります。

5.運用段階のフェーズ

運用段階では組織変更対応や契約情報のメンテナンスを行う必要があります。

1)設定変更
入退社に伴うユーザ管理や、組織変更に伴うグループ情報の管理、操作権限の変更などを行いましょう。

2)契約書管理
契約満了日が近づいている契約や、満了日が過ぎているのに有効な状態となっている契約を確認し、更新の手続きや契約終了の手続きなどを行いましょう。合わせて管理情報の最新化を行いましょう。

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