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固定資産管理台帳とは?目的や記入例、エクセルでの作成方法を紹介

企業が所有する固定資産を管理するために欠かせないのが、固定資産管理台帳です。所有している資産が多い場合や、初めて経理を担当するという人にとって、固定資産台帳の作成や管理は大変な作業かもしれません。しかし、最初にしっかりと仕組みを作っておけば、意外と簡単に運用することができます。本記事では、固定資産管理台帳を作成する目的や基本的な作り方を解説していきます。さらに、台帳の記入例や表計算ソフト「エクセル」を使った作成の流れについても紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。

固定資産管理台帳の目的 

固定資産管理台帳を用いて資産を管理する目的は、大きく分けて下記の3つが挙げられます。

  • 会計処理
  • 税務処理
  • 資産管理

通常業務に加えて固定資産の棚卸しをし、漏れなく記帳作業をするのは大変かもしれません。しかし、資産を把握・管理し、企業が正しく確定申告をするためには、管理が必要です。目的をしっかり理解した上で、正しく固定資産管理台帳を作成しましょう。

会計処理

企業の確定申告で作成が義務付けられている「貸借対照表」や「損益計算書」には資産の額を記載すればよいため、個々の設備の購入価格や減価償却費の内訳は明記しません。固定資産管理台帳の作成によって、その設備投資が企業の財政状況において健全であるかの根拠を示し、企業の経営の状況を見ることができるのです。固定資産管理台帳がなければ、無謀な設備投資を行っていた場合に見抜くことが難しくなります。

税務処理

固定資産管理台帳の作成には、税務処理を適切に行うためという目的もあります。確定申告で企業が支払う税金を計算する際、減価償却費が正しく計算されていれば控除の対象となります。減価償却とは、仕事で使う車両や工作機械など、一度購入したら数年間使い続ける高額な資産を、使用年数に応じて分割して経費にする税務処理方法です。会社の経費を落とすのに領収書やレシートが根拠になるように、減価償却費の場合は固定資産管理台帳が根拠になるのです。台帳をきちんとつけて固定資産を正しく管理しましょう。

資産管理

固定資産管理台帳を作成することで、現在の試算を正しく把握することができます。「すでに壊れていて使っていない設備機器」や「資産に計上しているのに、実は電車に置き忘れて紛失してしまったノートパソコン」など、数字上だけの“空白の固定資産”に気づくことができます。実存し、今も稼働している固定資産が社内にどれくらいあるかを正確に把握しましょう。

また、土地や建物といった不動産に関しては、所在地の確認や不正使用・不正売却などがされていないか、毎年実地調査(実地棚卸)を行う必要があります。固定資産管理台帳を確認することで、このような棚卸しもスムーズに行うことができます。

固定資産管理台帳に載せるもの

固定資産管理台帳に記載する項目は、以下のようなものが挙げられます。必須項目は定められていないため、管理に必要な項目を自社で取り決めておく必要があります。

  • 資産名・・・購入した物の名称、型番があれば併せて記入
  • 固定資産番号・・・資産を管理するための番号
  • 資産の区分・・・建物、土地、車両、運搬機械、構築物等の区分
  • 資産を取得した年月日・・・購入・取得した日付
  • 取得価格・・・購入・取得にかかった金額
  • 個数・・・資産の個数。同じものが複数ある場合は、固定資産番号を連番にする
  • 管理部門名・・・資産を管理する社内の部門名
  • 耐用年数・・・資産区分やその内容により異なるため、国税庁の「耐用年数表」を参考にして決める
  • 償却方法・・・定額法と定率法のどちらかを記入。資産区分によりいずれかを選択する
  • 償却率・・・耐用年数と償却方法により異なるため、国税庁の「耐用年数表」を参考にして決める
  • 償却額・・・定額法の場合は、取得価格に償却率をかけて求める。定率法の場合は、前年の未償却残高に償却率をかけて求める
  • 帳簿価格・・・前年の未償却残高から減価償却額を引いた金額を記入する。購入して1年未満の場合は、購入価格から減価償却額を引いて求める

 固定資産管理台帳の記入例

固定資産管理台帳には、固定資産の取得から処分するまでの流れを記載しなければなりませんが、特定のフォーマットはあるわけではありません。

固定資産管理台帳をエクセルで作成する方法

固定資産管理台帳を表計算ソフトで作る手順は、以下の通りです。

  1. 項目を決める
  2. 固定資産管理台帳のテンプレートをダウンロードする
  3. テンプレートに資産状況を入力する  
  4. 定期的に棚卸しを行い、内容を更新する

まず、固定資産管理台帳に記載する項目を決定します。前述の通り、固定資産管理台帳には決まったフォーマットがないため、会社の規模や保有する固定資産の物量によって、項目を選択しましょう。

次に、無料で公開されている固定資産管理台帳のテンプレートをダウンロードします。テンプレートをダウンロードできるサイトについては、事項でご紹介します。

ダウンロードできたら、実際の資産状況を入力します。複数人で入力作業を行う場合、各人が担当する範囲をシートに分けるなどして、入力が重複しないように注意しましょう。

固定資産管理台帳は、新しい資産が増えるごとにアップデートが必要です。日々の更新作業に加え、半年や1年ごとなど、インターバルを決めて全資産の現状確認(棚卸)作業を行い、常に最新の資産状況を記載するようにしましょう。

固定資産管理台帳のテンプレート

定資産台帳のエクセルテンプレートがダウンロードできるページの例として、「テンプレートKソリューション」と「大人の相続」の2つをご紹介します。これ以外にも無料ダウンロードサービスを行っているサイトはたくさんありますので、使い勝手の良いテンプレートを探してみてください。

参考サイト

固定管理システムの利用もおすすめ 

エクセルで固定資産管理台帳を作成する以外に、固定資産管理システムを導入するという管理方法もあります。固定資産管理システムは、法改正に合わせて最新の状態をアップデートしてくれます。また、減価償却の計算方法も多岐にわたるため、そのための高度な機能も用意されています。固定資産管理システムを利用することで、手間が省け、業務にかかる負荷が少なくなります。

固定資産管理関連は、会計分野の中でも特に法改正が行われることが多く、エクセルで管理している場合は、法律が改正されるたびに自身で調整を行わなければなりません。エクセル管理では限界があるという場合には、システムの導入を検討してみましょう。

管理システムは各社からさまざまなものがリリースされています。機能も、利用料金も、さまざまです。高機能になればなるほど料金が高くなる傾向が強いため、必要な機能や予算で探してみてください。

柔軟で強固なセキュリティ設定ができるMyQuick

固定資産管理台帳を用いて、社内の資産を管理する方法をご紹介してきました。固定資産を適切に記帳するためには、資産を所有した際の契約書などの関連書類も整理しておくことが重要です。MyQuickなら、データの管理はもちろん、関連書類を合わせて保管することもできます。データの改ざんに弱いエクセルの管理に不安を感じたらセキュリティ対策も万全で、安心・安全に重要書類を保管できる文書管理(データ管理)システムも、ぜひ検討してみてください。

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